6. 反キリストはあなたの欲望によってあなたを支配します。

あなたが感じる、物質世界の物や「財産」への欲望は、物理的に物質世界に現れた「物（テレビ、家、車、お金など）」への欲望だけでなく、感情的なこと（性的征服、結婚、子ども、友情、承認、評価、崇拝など）への欲望も含まれます。内なる反キリストは、もっと多く、もっと大きく、もっと良い「物」があれば満たされるという嘘の約束で、あなたが常に自分の外側に求め続けるように仕向けます。そして哀れな魂は、欲望を満たすのに必要なお金を稼ごうと、（訳注：ハムスターの）回し車のように満足感の無い仕事に喜んで飛び乗りますが、一方でその魂は、もっと何か、手の届かない何か、つまり、もっとお金、もっとステータスの高い仕事、もっと大きな家、もっと新しい車、もっとたくさんの休暇、もっともっと、もっと大きく、もっと良いものがあればいいのに、と思い焦がれます。（訳注：物を得れば満たされるという）約束は嘘なので、いつまで経っても十分ではなく、内側にある創造主の不滅の火花をはっきり感じ取って、それとつながりたいという、その魂の叫びを満たすことにはなりません。そこで反キリストはあなたに、問題を忘れて、少し楽しんで、リラックスして、お酒を飲んで、薬を飲んで、あなたにはそれがふさわしいし、今ならそれを買う余裕がある、と言うでしょう…。それから間もなく、その愛すべき神の断片は、依存症に陥り惨めな闇に包まれます。
 
それでは、あなたが現実化した物質世界の物を持つことは間違っている、ということなのでしょうか？　いいえ、全くそうではありません。神は（訳注：動物界、植物界など）全ての界における豊かさそのものです。しかしここで気を付けるべき点は、物質世界の物や感情的な欲望に執着してはいけないということです。あなたはこの素晴らしい肉体を借りているだけで、肉体を離れるときは、どんな移行の仕方になるとしても、現実化（顕在化）した世界にある「物」はどれも、あなたと一緒に行くことはないのです。この、内側にある一なるものへと向かう旅において、本当に実在するのはあなたの不滅の魂だけです。それ以外のものはすべて、幻想が顕在化したものです。それがどれほど美しく貴重だとしても、それは残された役者たちのための小道具や背景幕として残ることになるのです。これは、神と創造の生命の息吹で養われる生命が織りなす数十億のドラマのうちの、たった１つに過ぎません。そして繰り返しますが、これは本当にたった１つのドラマに過ぎず、私たちは、展開している生命という劇の共同創造者でしかないのです。
 
ですから、あなたを物質界に縛り付けているものから解放する際に、鍵となるのは、物質界との接続を断つこと、つまり「物」への執着だけでなく感情的な執着も断ち切ることです。感情的に断ち切るためには、自分自身のことも他者のことも、すべての過ちを許して、解放しなければなりません（4番目の項目を参照してください）。これは、あなたに気配りがないとか、同情心がないとか、愛がない、ということではありません。（もちろん、）あなたは神の全ての存在と創造物（つまり、その本質は一なるものの一部として存在している）への無条件の愛を持っていますし、絶対に持たなければなりません。しかし、ずっしりと濡れたウールの衣服のようにあなたの波動を押し下げている、顕在化した幻想や感情をすべて断ち切らなければなりません。